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Breve Intermedi(短編・再会後)

グラン・パルティータ 第一話

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 先ごろ客演したオーケストラ関係者からチャリティコンサートへの誘いがあり、カン・マエの予定は空いており、ルミに行きたいかと訊ねた。 
 ルミはカン・マエから手渡された卵色の洋紙にブラウンの古い書体で印刷さ れたプログラムを見て、ニッコリ頷いた。ペルゴレージ( 1710年-1736年)、ハイドン(1732年-1809年)、モーツアルト(1756年-1791年)、メンデルスゾーン(1809年-1847年)などの名前が並ぶ。歌曲や弦楽八重奏曲 、十三管楽器などチャリティならではの多種多彩な編成であり、プログラムであった。


Wolfgang Amadeus Mozart:Serenade No.10 “Gran Partita” 


 ルミは、ハイドンより先に生まれたらしいあまり馴染のない作曲家の名前に、小首をかしげた。 

「先生、このペルゴレージって、どんな作曲家だったの?歌曲だけでなく、ほかのも聴いたことがないわ」

 カン・マエは良い質問だといったふうに、教え子に対する教授のように頷いた。

「そうか、まあ、それも不思議ではないな。作曲家として活動できたのは、わずか五、六年だ。社会思想や文化芸術も過渡期だった頃、特に音楽史においてはバロックが終わり、古典派音楽の先駆けとして名を残した作曲家だ。早逝だったのが惜しまれる」

 ルミは没年から生年を引いて、目を丸くし哀しげなため息をつく。

「二十六年の短い生涯だったのね」

 カン・ マエは小さく頷く。
 同時に脳裏にはペルゴレージの音楽をもとにストラビンスキーが作曲した、バレエ「プルチネッラ」のメロディが浮かんだ。
 かつてカン・マエはその組曲の指揮をしたことがあり、そのときハイドンやモーツアルトに何かの形で影響を与えたであろうペルコレージについて掘り下げ、ストラビンスキーがどのように作曲をしたか推しはかったものだ。

 ルミはコンサートで演奏される全く知らない、あるいは馴染の薄い曲をずっと聴いていた。そのなかの、モーツァルトのセレナーデ第十番「グラン・パルティータ」と呼ばれるこの曲の第三曲が気に入ったルミ。 

「金管と木管がなんて絶妙のバランスで響くのかしら。それも自然に当たり前のように」

 つぶやくルミを、年の離れた恋人は気分転換に読む科学雑誌から、チラリと見る。

「平凡な毎日を讃えているみたい」

 これには、カン・マエはたまらず雑誌を閉じて、珍しく声を立てて笑った。映画「アマデウス」のなかでサリエリに「神の声」と言わしめたところが、ルミにはそう聴こえるらしい。
 ルミは頬を少し膨らまして、彼を柔らかく睨む。しかし、一緒になって笑いたくなるのは、グラン・パルティータがあまりに穏やかで、幸せに溢れていて、何をするわけでもないのに心が満たされるからだ。

 この曲は、後々も何度も聴くルミにとって「お気に入り」の一曲となった。 




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